仕事内容

ホームヘルパーにできること・できないこと

ホームヘルパーにできることって?

ホームヘルパーの仕事には身体介護と生活援助の二種類がある、と先ほど書きましたが、この二つのサービスは単独で提供することはもちろん、組み合わせて提供することができます。しかし提供される時間はそれぞれ決められていますし、サービス自体がケアプランに基づいて訪問介護事業所と話し合って決められているため、「今日はこれを追加して」といった要望は受けることができません。
また、「診察の間病院で待機する」「話し相手になる」「一緒に散歩する」といったことも原則できないことになっています。ホームヘルパーが提供するのは「介護保険制度に則ったサービス」なので、一緒に散歩ができるのは歩行が不自由なため介助が必要で、ケアプランにも「ヘルパーの同行が必要である」と記載されている利用者だけです。
また、生活援助に含まれている「買い物」についても、ケアプランに「調理」が含まれていればその業務の一環としてお願いすることができますが、「洗剤が切れているから買ってきて」といったようにイレギュラーなものは頼むことはできません。買い物同様、「郵便を出してきて」「新聞を代読して」などの代行サービスもできません。ただし、利用者が身体障がい者として認められている場合は適用されない場合があります。

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大切なのは「公平性」を守ること

身近にいて身の回りの世話をしてくれるホームヘルパーさんに親近感を持ってしまう利用者の人はたくさんいます。そのため、「いつも良くしてくれるからお礼に…」と時折、金品を渡したり一緒にお茶を飲んだりしたいと誘ってくる人がいますが、このような場合、ホームヘルパーはどう答えればいいのでしょうか。
正解は「断る」です。なぜなら、介護保険は公的な保険制度のため、ホームヘルパーは公務員に準じる立場として公平性を保たなければならないからです。
訪問介護をお願いする頻度は介護の度合いによって異なりますが、毎日のように利用している場合、いつも同じ人が来てくれるとは限りません。人間である以上、「Aさんのやり方は良いけどBさんのやり方はちょっと…」といったように、相性も少なからず出てきますが、Aさんがいいからと言って、毎日Aさんに来てもらいたいとお願いすることは「公平性」に欠けてしまうためできません。もし、Bさんのやり方に馴染むことができないのであればケアマネージャーに伝えて、別のヘルパーさんに入ってもらうなど解決法を考えてもらうしかないのです。

住んでいる場所で支援範囲が違う

ホームヘルパーが提供しているサービスの内容は利用者の心身の状態や家族の有無、生活環境などを総合的に判断して決められています。そのため、「Cさんが受けているサービスをDさんは受けていない」といったことは決して珍しいことではありません。また、ホームヘルパーのサービス範囲は元々大雑把にしか決められておらず、曖昧な部分もたくさんあります。そのため、地域ごとにルールが設定されていることもあります。